ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

相続をめぐる対抗要件


従来
相続人の権利は
その他の者に比べて優遇されている
登記なくして
他人に対し対抗できる権利を有しているからだ


このような他人に対抗できる権利が成立する諸条件が
対抗要件と呼ばれている
何もしなくても
相続人には対抗要件が認められていたのでけれど
この7月1日から
相続人も
法定相続分を超えた部分については
何もしなくても対抗要件を具備している特権を
はく奪されることとなった
また
遺言で遺贈を受ける者(受遺者)も
おんなじだ
いそいで
遺言に従った登記を済ませなければ
遺言があるからと言って威張っていられなくなった


遺言があれば
ゆっくり
遺産争いをしている間があったが
そうもしていられなくなるかもしれないからだ


相続人のなかにならず者がいて
借金取りに追われているような場合がそうだ


借金取りは
相続が開始するのを準備万端
手ぐすね引いて待っているかもしれない


遺産争いは
相続権のある人が誰で
どこまでが相続財産かも複雑なうえ
法定相続分
相続放棄
相続人からの排除
遺言の存在等々
サスペンスのネタの宝庫でもあり
その上
お決まりの人間模様も絡んでくる


この7月1日からの改正法施行後は
これに借金取りも参加できることになる
悠長に
親族の間で遺産相続をしている場合ではない


親族間のごたごたで遺産争いをしている間に
借金取りが財産を次々と巻き上げてゆく
そんなサスペンスも生まれるかもしれない


相続開始後
一定期間
相続人や受遺者に対抗要件を認め
ゆっくり遺産争いをする期間があっても良い気がする


この期間が終わると
借金取りが
遺産争いに参戦できるようにする
そんな構図でよい気がしている

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