ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

現象持続:内側へと向かう信心


現象は
安定した環境の中で
安定して持続する


それぞれに
現象持続に適した環境があるのだから
環境が変わると安定した現象
が維持しがたくなることがある


「私」にも適した環境があり
それが脅かされると
「私」はその脅威を取り除こうとする


例えば
船に侵入する水を掻き出したり
例えば
吹きすさむ嵐を
風の当たらぬ場所でやり過ごす


「私」は
目に見え感じている肉体ばかりではない
内臓も私の一部であり
「私」はそれを懸命に守っている


「私」は
私の手を
あまたの他者に差し出すが
私の内臓を差し出すことはない


「私」は
私の心の内を他者に伝えるが
私の奥底にある心を
決して他者に見せることはない


そこは
「私」を「私」として維持する現象が躍動しており
他者の介入を決して許さない
「私」の環境として
必死で守られなければならないと
「私」が「私」に厳命しているのだろう


そこで維持されている「私」の表面が
手足の動きや表情として現れ
あるいは言葉として心を他者に伝える


私の奥底にある「私」は
「私」にとっても秘境にある


「私」にも見定めることのできない「私」が
「私」の奥底から「私」の現象を維持し続けてくれている


そんな奥底にある「私」を
「私」は信じ肯定し続けてゆくのが
生まれてきた義務なのだろう


きっと
ハエやカも
そうやって生きているのだろう


この信仰を守るため
「私」は「私」を守り続け
「私」を阻害するものを排除しようと
手足や言葉を使い続ける


内側へと向かう信心


外側へと向かう愛
そして
外側へと向かう敵意


「私」は
「私」の内側へと敵意が向かわぬように
「私」の環境を守り続ける


私のための
私の
私による環境維持が
私という現象を持続させている


システムは
国も宗教も個体も
自らが守れなければ崩壊してしまうのだから
自作自演をする義務において成立している


だからなのだろう
戦いの中でも
自作自演の中心はシステムとして強固に守られ
敵意の犠牲になり
敵意の実践になるのはシステムの周辺だ

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