ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

依存しているものに敬服する契機としての喪失


ものごころが付き始めたころの記憶だと思う


昼寝から起きたら
一緒に寝ているはずの母親がいなかった


きっと
早く起きて別の部屋にいるのだろうと
部屋を次から次へ覗いた


どの部屋にも
母親の姿はない


部屋を覗くたびに
心が疼く
期待が裏切られ
傷がつく


傷口もなく血は出ない
そのかわり
目から涙があふれだし
気が付くと
大声で泣いていた


何時間も泣いていた気がする


・・・


何のことはない
子供が寝ているすきに
買い物に行くことはよくあることで
今にして思えば
何のことはない


当時は
一大事であった


子供なりに
毎日を繰り返していた
そのすべてが
母親に依存していた


依存していたものを
取り上げられた命は
悲愴だ


豊かな森に依存している野生動物は
その森を取り上げられると
心の中で大声で泣き叫ぶ


整った住環境を災害で失った人々もまた
心の中で大声で泣き叫ぶ


前提が覆ると結論が覆る


依存するものに対しては
敬服しなければならない

情報の質が実践の成否の鍵となる


うまくいかないことがある
うまくいくようにお祈りしながら行うけれど
うまくいかないことがある
どうやら
下手な情報をつかんでしまっているらしい


そいつを実践しているのだから
うまくいかないことを繰り返す


ゴルフだ


なぜこうも
右へ左へ飛ぶのだろう


変な癖があるに違いない
でも
それを認めたくないところがある
過信が楽しい


失敗は偶然のたまもの
成功は実力である


このような根も葉もない自信が
過信を育て成長を止める


下手な情報と過信を捨てればいいのだけれど
捨て方がわからない
生まれ変わればいいのだけれど
そうもいかない


仕方がないから
下手を楽しむ
少しスウィングを変えてみては
また
下手を楽しむ


三流の証がここにある

情報とその実践システムが前例踏襲を可能とする


情報は
絵に描いた餅である
食べれない餅である
それでも餅である


言葉の餅も
食べれない餅である
しかし
便利な餅である


言葉の餅はレシピになれる
優れた料理家の工夫の対象となり
おいしいお料理の具材となる
やはり
食べれない具材である


食べるためには
レシピの実践が必要だ


レシピに従い素材を集めて加工する
実践だ
レシピを信じる者は
出来上がったお料理に救われる


言葉には表しきれない味覚が訪れる
むろん香りと
相性の良いワインも添えられよう


先日、赤ワインのシャンパンをいただいた
お餅の料理より
生ハムがよく似合う


命はお料理の素材となる


遺伝子の情報を実践し育った素材が
言葉の情報に従い実践されて
おいしく調理される


生命は
情報が実践システムに供されて
前例踏襲を繰り返す
文明もまた
情報が実践システムに供されて
前例踏襲を繰り返す