ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

局在と遷移:慣わしの公平と独我論的平穏


今まで通りにするということが
その今まで通りであった局在において
公平なことであるとされ平穏が保たれている


このような局在に
別の価値観が入り込むと
今まで通りであることが公平ではないということになり
独我論的平穏が崩れ去り
議論を設けたり
争いの場が沸き上がったりする


村の運動会で
人口が多く力のある地区が
日当たりが良かったり
あるいは
日陰のある良い場所を毎年恒例の様に独占すると
他の地区は面白くはないが
別段
それほどの不自由がなければ
毎年恒例が続いてゆく


しかし
地区がテントを張る場所を
ローテーションする慣わしのあるとロコから来た者が
ローテーションするのはどうかと提案すると
今までの慣わしが
当然のものでなくなったりする


このように
外部を遮断することにより維持されている慣わしがあると
外部での慣わしを
外者のいらない意見と拒絶し続けなければ
その慣わしを維持し難い事態が訪れる


慣わしに盲従することが
秩序を維持することになる


慣わしを吟味しなければ
公平は実現されない


揺れる恋心のように
保守と革新の間を行き来しながら
慣わしは食材として遷移を繰り返す


公平が良いのだろうか?
平穏が良いのだろうか?


刺激的な恋が良いのだろうか?
平穏なつまらない朽ちかけたような恋が良いのだろうか?

局在と遷移:恋と独我論的平衡


恋は冷静な判断を狂わせるところがある


現実把握よりも
恋の妄想が意識を占めるからに他ならない


恋心には
現実を遠ざけるところがあって
都合の悪い現実と向き合わないところがある


恋の相手の気持ちを知りたいと思うのだが
相手の気持ちを知ることを怖がり
恋を打ち明けられないのも
恋心が
恋を守ろうと
都合の悪い現実と向き合うことを避けるからなのだろう


恋心は
現実をゆがめ
恋にとって都合の良い幻想を
さも現実であるかのように夢想させる


恋の至福のひとときだ


こうして
意識が作り出す恋の幻想が
現実を隔離する


この隔離された独我論的な意識の中で
恋心は都合の良い現実を紡ぎ
恋心を熟成させ
恋のバブルを形成する


大きなバブルに育てば育つほどに
現実は遠ざかり
より一層に遠ざけるべき存在となり
実際
その現実を避けることにより
独我論的な平穏を醸し出す


意識の中のゆがめられた現実が
独我論的平穏をもたらし
トロンとした眼で
白日夢を貪る幸せが訪れる


失恋は
そんな独我論的平穏が
現実により崩壊する過程である


生命の営みは
総じてこのような
独我論的平穏を求める内的反応と
それを受け入れたり
それを拒否したりする環境の相互作用の中に在る


ほとんどのオタマジャクシは
カエルにならずに死んでしまうのだけれど
カエルになれると
妄想しながら生きていよう


無意識かもしれないが
やがて手が出て足がはえると
妄想しながら
手や足のない身体を動かしているのだろう


独りよがりから始まるのだ


独りよがりを
どこまで続けてゆくのか
どこまで続けてゆけるのか
どうすれば続けてゆけるのか


独りよがりがあってこそ
生きる力が湧いて来ようというものだ


恋は独りよがりから始まる


それが怖いのか
好意を見せられると
恋心がなぜか騒ぎ出す


独我論には
外の空気が流れ込む風穴も必要だ


新しい夢想の始まりだ

局在と遷移:国家主権と独我論的平穏


生命が
独我論的平穏を求め
悪しき外界を遠ざける


この創られた局在の内部で
生命反応が循環すべく
調和すべき予定を実践してゆく


だから
生命は
外部が局在の内部に侵入することで
局在内部の調和が崩れることで終焉する


また
外部とは無関係に
局在内部の反応が予定通りに実践されず
調和が乱れることでも終焉する


このように
局在は
外部との隔離の性能と
内部の規則性に分けて
その持続性を評価するできる


環境への適応は
外部との隔離の性能であり
発生学的調和は
内部の規則性の問題だ


独我論的平穏は
外部との完全な遮断と
内部の調和から成立する


ある意味
局在たる存在の理想であろう


しかし
外部への依存が少しでもあると
この理想郷は
その依存ゆえに終焉の危機にさらされる


このような依存と独我論的平穏の関係は
国家が
独我論的平穏とグローバリズムの間にみせる葛藤においても
観察できる


このような局在が奏でる
独我論的平穏と外部依存の均衡のなかで
関与する局在が遷移を繰り返す


隔離された島で
独自の進化を遂げた生き物とその生態系は
グローバリズムの荒波の中で
今までとは違う何かを得て
今まであったなにがしかの平穏を見失うことになる


戦争は
独我論的平穏の人為的崩壊だ


喧嘩もしかりである


外に何かを求めなければならないという依存の必要性は
独我論的理想郷を破壊する元凶だ


しかし
その元凶により
負のエントロピーを食らい
秩序を維持しなければ
局在内部の調和を保てないのだから
生き物の進化戦略は尽きることなく続くことになる


依存が必要な局在の主権は
外部との隔壁を維持するために外部を支配しようと
右往左往を繰り返す運命を切り離せないままに
平穏を求めては
平穏をぶち壊す


このデストラクションと
リストラクションをもたらす局在の性質が
遷移と進化の原動力となり
同じような世界維持しながら
次第に世界を変容させてゆく