お腹が痛いと
美味しいものも
美味しく食べられない

楽しいはずのことも
楽しくなくなる

辛いことは
もっと辛くなり
とてもではないけれど
我慢して続けていられなくなる

辛い仕事なんてものは
　　我慢できなくなれば
　　止めればいいのだけれど
辛い腹痛は
　　我慢できなくなっても
　　止めることができない
　　
　　我慢できなくても
　　我慢し続ける羽目に逢う

腹痛のこのような我慢は
いつまで続くかわからないから
辛さの上に辛さを重ねることになる

ときたま
「いっそ死んでしまいたい」と考えても
死ぬ気力もないので
ただそのまま我慢し続ける

こんな時の唯一の仕事は
耐えることだ

腹痛は
いわば
私の内側から訪れる天災だ

大自然の驚異を耐え忍ぶように
ただ耐えるしかない

私の内側にも大自然の驚異は存在する

そして
いつでも
平穏な秩序を破壊してしまう力を持っている

形あるものが壊れるのが自然の掟なのだから仕方がない

けれど
仕方が無いで済まさずに
何とか破壊を免れ
秩序を維持しようと頑張るから
命が続いてゆく

腹痛を直すのには
お医者さんも手助けしてくれる

命が続くためには
辛くても
天災を
絶えて頑張りやり過ごすより仕方がない

そんなことを考えながら
夕べ
トイレの中で腹痛が過ぎ去るのを待ち続けた

まだ少し余韻が残ってはいるものの
腹痛は過ぎ去ったらしい
が
まだお腹の中に違和感が残っている

今朝は曇り空だ
風も穏やかだ
嵐でなくてよかったと思う