ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

同調圧力:自由と不自由の間隙


生きとし生けるものは皆自由を振舞うが
皆それぞれに義務を負いながら生きている


蠅は蠅であり続ける義務があり
自由に蚊や蛙にはなれないし
人間になることもできない


この生まれ持った義務を果たすために
自由を捨て去り
懸命に蠅は蠅として生き抜いている


このように
生きることは基本的に不自由なことなので
「自由に生きる」ためには
努力を尽くさなければ実現できない


自由と不自由の間隙を拡げながら
「自由に生きる」しかないのだ


昼の明るさの中で見る自由を得ていても
夜にその見る自由を失うことになる
しかし
電灯はそれを克服し
夜の不自由な視界を明るく照らし出した


生まれながらにして
身体の内側から
身体の外側から
様々な義務が同調圧力として心身を束縛しようとしている
このような同調圧力に対抗する力が
自由への意思である


蠅が禍になろうとするような無謀な意思は
努力の甲斐なく無残に砕け散るのだろうが
実現可能な自由への意思もある


この意志に導かれ努力をまい進することが
自由に生きるための必要条件だ


これを満たさす気力がないならば
同調圧力に身を任せ
気ままに漂い生きてゆくことになるのだろう


舟に乗って川下りの気ままさを愉しむのだ


穏やかなばかりの河を下れれば運が良い
そうでなければ
県目に竿をさしながら川を下らなければ
急流で
どこかにぶつかってしまうのだろう


自由は与えられるものであるとも思えるし
掴み取るものであるようにも思えてくる


生きるために
確保すべきものとも思える代物だ


自由が確保すべきものであるならば
自由は新たな義務の入り口ということになるのだろう

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