正誤判断:乱立する幻想世界と現実
どこまでも正しいと
かえって恐怖をもたらすことがある
そこまでではなくとも
「確かに正しいけど
そこまで求めない」
という意見が出るような場合もある
自然環境保護も
究めれば
人間が生きられなくなる可能性がある
人間が絶滅することが
地球環境にとって最も素晴らしい解決策かもしれないからだ
しかしこれでは本末転倒になるから
自然環境保護もどこかでその剣を緩めることになる
動物保護も
一切の食肉禁止ということになれば
人間の味覚を封印し
人間らしく生きることを否定するという意見が出る
人間に限らず
肉食を一切否定することが動物保護ならば
ライオンの生きる権利は否定されよう
ある動物を保護するため
別の動物を虐げる結果になると
何のためも動物保護と言うことになってしまう
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主義主張や規範
身近なところでは
予想や予定といった幻想を抱くのは
意識が現実に縛られず自由で多様性に満ちているからだ
しかし
その幻想世界を実践する場である現実がひとつなので
競合する幻想世界間で葛藤や闘争を生み
対峙し合うことになる
この対峙が
極端な正しさの恐怖を生む構図である
現実世界では
ほどほどの正しさで
多様な幻想世界を両立させている
この現実を
幻想世界もうけいれなければ
現実の世界では通用しない
もしくは
現実世界を区画をして
幻想世界が混じり合わないようにしなければならない
細胞膜や
国境はそのような役割を果たしているのだろう
予想や予定や規範が創造しようとする世界を
現実の中で多種多様に展開させるためには
様々な工夫が必要になる
だから
現実が競合の場となり
幻想が高密度に存続するためには調停が必要だ