ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

同一性:贋作としての記憶


記憶は
なぜか「これが本物である」と主張してる


記憶の元になった現実は
すでに過去のものとなり消え失せ
本物は不存在になったことをいいことに
記憶がは
「これが本物である」と主張し続けている


今は
映像を録画したり
音声を録音したりできるので
いくら記憶が
「これが本物だ」と主張しても
記録された映像や音声に否定されてしまう時代になった


それでも
映像や音声が記録されていない場面はまだまだ多く
記憶が贋作として猛威を振るっている


私は
そんな贋作の作者であり
所有者であり
管理者であり
支配者だ


支配者により
上げ奉る記憶もあれば
蔑まれ捨てられる記憶もある


こんな自由気ままな支配者の下で
「本物である」というプライドを維持しながら
記憶としての同一性を維持してゆかなければならないのだから
贋作も大変だ


不都合な記憶や真実は消し去らねばならない時もある


強靭な支配者は
容赦なく
口をつぐませ
記憶や真実を亡きものにしたりする


こんな贋作としての記憶の性質が
人間社会の隠ぺい体質を創り出しているのだろう


支配者は
あまり強靭ではない方が良いのかもしれないが
それでは
本物らしさの安心感が得られない


いい人なだけではどこか頼りないから
困ったものだ

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