ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

再現競争:尊厳と自由


皇族の人権についての議論の中で
「皇族である前に人間だ」という文言を見た


私も
「日本国民である前に人間だ」
「黄色人種である前に人間だ」
「長野県民である前に人間だ」


もっと言えば
「人間である前に動物だ」
「動物である前に生命だ」


秩序を維持することに疲れたら
その秩序が課す義務を放棄して自由になりたくなるのだろう
私は時たま
猫になりたくなる


しかし
猫になりきることができず
人間の尊厳に回帰する


「動物である前に人間だ」


意識してもしなくても
猫ではなく
人間として立ち振る舞う私に戻るということだ


そんな自由へのあこがれと
尊厳への回帰の葛藤は
「ロミオとジュリエット」にも見て取れる


「モンタギュー家のロミオである前に人間だ」
いや
「人間である前にモンタギュー家の一員だ」


私も様々な尊厳を身にまとい生きているのだろう
絹と金糸で縫製された衣装ではないにしても
それなりの衣服をあてがわれ
それを我が物として引き継ぎながら
また
同じような衣装を再現し続けているのだろう


そんな中でも
引き継いだはずのものを
いつの間にやら見失っていることに気が付くことがある


時の流れの中で
変わらずにいることは不自然だ


この自然の流れに抗い
再現することに疲れ果て
いつしか潰えたこともたくさんあるのだろう

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