ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

再現競争:意思による再現競争


お日様に意思があれば
今のように
毎日毎日
同じように
朝、顔を出し
夕に沈んでくれるだろうか?


意思は
機械仕掛けの繰り返しを
良しとすることもできるし
反逆することもできる


カンブリア爆発の前
エディアカラの生き物たちにとって
意思は
動物であっても
その存在意義は小さかったのかもしれない


天敵もおらず
繁茂している藍藻を食べていればよかったら
とっさに逃げる必要もないし
とっさに獲物を追いかける必要もない


機械的に
生まれてきて
機械的に
藍藻を食べ
機械的に子孫を残し
機械的に死んでいったのかもしれない


機械的に
同じことを繰り返し
刺激も反応も必要性が低ければ
意思の作用により
繰り返しに変調を加え
変えてゆく必要はない


何かを忌避する必要性がなければ
忌避するような嫌悪感も必要でないし
何かを探す必要もなければ
魅せられるような感覚が湧き上がる必要もない


ある意味面白くもつまらないままに
たんたんと
何も考えずに
時を過ごせばいいだけだ


意思を働かせることなく
ただ機械的に同じことを繰り返せば生きて行けた


実際には
生きてゆく苦労はそれなりにあったろうが
食う食われるの激戦が顕在化した
カンブリア時代以降に比べれば
比較的のほほんと暮らせていたと想像される


意思があり
意思を働かさないとうまくいかないということは
攻撃と防御が互いに亢進している状況だということだ


のんびりうかうかしていると
食われてしまう


そんな状況で
意思は活躍しているということだ


意思を働かせ
自分自身を再現し続けるから
動物は
各自の生を繋ぐことができている


このような命に囲まれながら暮らしてゆくことは
様々な意思に囲まれながら暮らしているということだ


私を攻撃する意思にも
私を防御してくれる意思にも囲まれているということだ


もし私に
私の周辺の意思を支配する力があるならば
私の周辺にある意思を
私に都合の良いものへと変えてゆくだろう


これが
ニーチェの「力への意思」でもあるのだろう


私という大切な存在を
維持再現し続ける力が
私を育て続けるように
社会の大切な存在が
多くの人々の意思により
守り育てられている


意思により
平和が維持されているということだ


だからこの平和は
意思により簡単に崩れ去る


平和の防波堤のような意思は
それを壊そうとする意志と対峙して
再現し続ける競争に晒されている


たとえ決壊したとしても
意思を再現し続けることはできるのだろう


あきらめても
また
再現するより仕方がない

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