親子関係は
時間の流れの中で見いだされる

写真に写る親子は
親子関係をうまく表現されていることもあれば
全くの他人のように表現されていることもある

このように
時間の断片ではなく
動く時間のなかで
親子関係が見出される

離れ離れになり
親子でないような時間がいくら長くても
近づきあい
親密な関係を築くのが親子関係だ

離れている時間には
親子関係は観察できないが
親子関係は存在し続けている

目には見えない状態で
関係が成立しているということだ

約束された関係が目には見えない背景に存在し
時として
それが顕在化して表現される

目に見えぬ約束が
時として表現されてゆくということだ

生命現象は
その連続の中にある

ある状況に置かれたら現れる約束が
様々な組み合わせで表現されながら
花は咲き
実を結んだりする

しかし
状況が許さなければ
それもかなわない

約束が約束のまましぼんでゆく

はぐれた親子は
互いに求めあう約束の中で
探しあい
会えることを夢に見る

そして会えた時
会えた喜びを伝え合う

目に見えぬ約束が
時として表現されてゆく
そしてまた
次の約束が花開く時を待ち望む

心臓は拍動するよう約束され
血管は血液を漏らさぬように約束され
きっちりと
その約束を守ってくれている

私の意識も
様々な約束の中で動いているのだろう

古い祖先から伝承してきた約束もあるだろう
外来の約束もあるだろう
様々な約束が目には見えないままに
私の中に忍び込み
今か今かを花開く時を待っているのだろう

関係は時間の中で
その姿を現したり消したりしているようにみえる

しかし
実際には
消えているのではなく
私の目には見えない形になって
隠れるように
顕れる時を待っている