現象持続:循環の断面としての意識
恋文を書き
見直し
それを破り捨てる
文字に込めた思いは
破り捨てられた後も
文字を描いた者の心の中で
消えずに残っているのだろう
再び
思いを込めて恋文をつづってみたりする
こうして
思いは
意識と文字の間を行き来する
文字の作者と
文字の間を
思いが行き来を繰り返し循環しているのだが
そうとばかりしてはいられない
やがて
他者のもとに
思いが届けられる日が来るのだろう
そうなると
人と人の間にも
思いが循環し始める
文字も意識も
こうした循環の中の一断面だ
私という意識も
大きな循環の一断面なのだろう
私が私の中で循環し
時にそれが外へと流れだす