「おはよう」が
「おはよう」の意味を共有する人々の間を
循環している

この「おはよう」現象は
「おはよう」を共有する人々が形成するシステムの中を
循環している

このシステムを基準にすると
「おはよう」と発語する現象は
システム内の刺激であり
「おはよう」を聞き「おはよう」と返す現象は
システム内の反応と考えられる

「おはよう」をやり取りする個人にとっては
それぞれの「おはよう」の発語は
外部刺激に対するそれぞれの反応なのであるが
「おはよう」システムの中で考えると
自己も他者もなく
同じシステム内で起こる
刺激と反応であり
自作自演の
刺激と反応である

自作自演の刺激と反応が繰り返され
このような現象が起きていない外部と区別できるようになると
このようなシステムは
実在として認識されるようになる

私の身体は
私の身体として
刺激を形成し続け
それに対する反応を起こし続け
私の身体を維持している

宗教や社会は
それぞれの習わしに従い
刺激と反応を繰り返し
その影響力がなく同種の刺激や反応が起こっていない外部から
区別しうる実存を形成している

実在の内部の刺激は
反応を前提に発出される現象であり
このような自作自演により他では観察されない因果律が
高頻度で引き起こされている

進化は
このような刺激と反応の創出と維持により
個物が組織化される過程であり
高度の環境への適応として
刺激のシステム内への内在化により
組織をより高度に集積してきた過程である

実在の区画は
組織化され
内在化された刺激ー反応現象の起こる範囲ということになる

したがって
自己刺激
自己反応は
システム内から観察される現象の総称ということになり
自己は
主観的観察に伴うものであり
客観性を持たせると
内在刺激と
内在反応ということになる

ホルモンとその作用としての反応は
自己刺激と自己反応であるが
客観的な観察に基づく成果としての認識であるので
内在刺激と内在反応という方がしっくりくるが
「我思うゆえに我あり」というような思考は
自作刺激と自作反応という方がしっくりくる

主観的であろうが
そうでなかろうが
ホルモンも思考も
自作自演の連鎖には変わりない

このような自作自演に
存続の根拠にもなっているならば
その自作自演に価値があるということなのだろう