ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

現象と構造:性善と性悪の狭間の中で


助け合いの構造の下
笑顔や泣き顔など
表情豊かな顔が行き交う中で
武骨で無表情な一匹狼を標榜する男が
しばしばドラマの中で活躍する


多くの人が参加している助け合いの構造から
一線を画しながらも
一匹狼が
その助け合いの構造と接しながら
波風を立てながらドラマが進行する


同質の仲間の中で
異質な存在を際立たせ
その異質が持つ意味を考えさせてくれる



笑顔には笑顔を返し
泣き顔には泣き顔を返す構造の中で
笑顔に対しても
泣き顔に対しても何の反応もしなでいると
異質な存在となる


このような異質なマイノリティーに対して
表情を交換し合うマジョリティーは
どことなく違和感を感じ
煙たがったりもする



人間は
自らが送る表情に対して
相手が特定な反応すると予定しながら
自らの表情をつくっているところがある


鏡を見て
自分の表情を工夫してみたりする動物は
そうそういるものではない


うそ泣きをしたり
作り笑いを浮かべたりもする


笑顔にも
本物と偽物があり
泣き顔にも
本物と偽物があり
これを見分けようとする慧眼が求められたりする


ネアンデルタール人や
ホモ・エレクトスにも
顔の表情による
助け合いや
騙し合いがあっただろうか?


助け合いの構造の中で
武骨者が現れると
その構造にゆがみが生じるように
助け合いの構造の中で
欺瞞者が現れると
その構造がゆがみ信頼が低下する


慧眼は
このような欺瞞者を排除するための
構造の保守的マジョリティーの防衛戦略の一つだ


構造が織りなす
コードの体系のなかで
自らのメリットのみを追求し
自らのデメリットを享受しない欺瞞が
様々な制度の中で問題視され
それが
マイノリティー排除の正当性として主張されたりする


権利ばかり主張して
義務を果たさない欺瞞は
もしかしたら
人間の本質の一つなのかもしれない


性悪説だ


屈託のない笑顔を見れば
人間は性善であると思えるのだが
うそ泣きをしている自分や
心にもない敬愛の表情を浮かべる自分を思い出すにつけ
人間は性悪であると思い直したりする


人間はわなを仕掛け
獲物を狩る生き物だ


獲物を騙し打つのだ


優しく尽くしながら家畜を育て
それを食らう生き物だ


そんな生き物に対して
半信半疑の中で慧眼を働かせながらも
信頼をも寄せながら
社会が蠢いている


欺瞞と慧眼が
社会の中でも
自分の中でも行き交いながら
社会の主要な構造が維持されている


ネアンデルタール人や
ホモ・エレクトスは
ホモ・サピエンスよりも純朴で
この欺瞞と慧眼の構造の中で
落ちこぼれたのかもしれないと思うことがある


ずるがしこい生存戦略の達人集団に対し
純朴な者は抗えないからである


頭の良い人はいるもので
私には
キャリア官僚に抗える力はないと思い知らされた思い出がある


その思い出が
ネアンデルタール人や
ホモ・エレクトスへの同情に連なっているだけのことなのだろう


きれいごとを言いながら
野蛮人は淘汰されてゆく


人類の戦争の歴史は
そんな欺瞞と慧眼が織りなす構造の中にあるのかもしれません

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