ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生命と反応:負のエントロピーを維持するための本能や理性


私が
お風呂に浸かっていても
水に入れた赤いインクのように
私の体がお湯に溶けてゆくことはない


このお風呂のお湯が
仮に
濃硫酸であったとしたら
私の身体の細胞は破壊され
分子間の調和世界は崩れ
分子内の調和も崩れ
壊れた私であった物質が
濃硫酸の中を
水に溶かした赤いインクのように広がってゆく


エントロピーの増大が
お湯の中では起こらないが
濃硫酸の中では起こるのだ


私の身体が
お湯の中では
お湯に対して異質化を維持し
交じり合うことから抵抗し
身体の負のエントロピーを維持できるが
濃硫酸のなかでは
身体の負のエントロピーを維持できず
濃硫酸と交じり合ってしまうと言う訳だ


だからなのだろう
濃硫酸のつんとするような臭いに
嫌悪感と恐怖を覚える


本能も
理性も
身体の危険を避けようと努力を重ねている


海原に放り出されても
生きている間は
何とか生き延びようと
苦しみもがくのだろうが
死んでしまえば
私の身体は
サメに食われ
魚につつかれ
次第次第に海の中へと拡散してゆくだろう


どんな場面にせよ
危機に瀕すれば
生きている間は
本能も
理性も懸命に
負のエントロピーを維持しようと
もがき苦しんでくれるのだが
死んでしまえば
目標を失い
機能しなくなる


肝臓も心臓も腎臓も
身体の負のエントロピーを維持しようと
それぞれの異質性を維持しながら
身体全体の負のエントロピーを維持するために
働いてくれている


本能も理性も
肝臓も心臓も腎臓も
身体の負のエントロピーを維持する
という目的において協調しているということだ


そして
それぞれの異質性をも保っている


本能も理性も
肝臓も心臓も腎臓も
この
目的の一致と
物質的機能的異質性のなかで
成立している運命共同体の一部といえるのだろう


肝臓と心臓が異なる様に
本能と理性も異なりながら
同じ目的に向かい協調してる


論語の中でも
異なりて和すことの大切さが説かれている


小人 同じうして相争う
仁者 異なりて和す


好きな一説です


理性ばかりが大事でもなく
本能ばかりが大事ではない


目的を忘れては
頭でっかちになったり
野蛮になったりするから
中庸がもとめられるということなのだろう


心臓ばかりが動いていても
どこか空しい


理性だけが小躍りしても
空しいけれど
理性にとって理性が全てなのだから
考える行先には
色即是空の世界が広がるのだろう

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