ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

思考と実体:朱に交われば赤くなる


本当は「こう思っている」けれど
「そう思う」と嘘をつくことがある


思考上の同調を演じるための嘘である


これができる子供が「良い子」と呼ばれ
これが出来な子供が「素直でない」と言われる


こうした環境に育つ子が
思考上の同調を実践することを覚え
そのスキルを向上させながら
大人に近づいていゆく


朱に交われば赤くなるのも
こうしたことが出来る人間の能力の帰結だろう


思考上の同調により維持されている世界において
この同調を強弁することは賛美されなければならず
否定されることは許されない


他の世界から見れば忌み嫌うべき悪事も
時として
賞賛されるべき善事となってしまう


「確かに悪いことだよね
 でも、、、
 普通じゃん」


政治資金の裏金も
芸能界の性加害も
制限速度で走っていると
「遅い」と言われてしまうような
同調圧力の中で熟成してきたのだろう


思春期の反抗期に
教師を馬鹿にして悪口を言うことが
仲間内では正義であり
先生を賛美するのは
仲間への裏切りだったりした


馬鹿にしたネタを
自分もしたりしているのだけれど
自分は堂々と棚に上げているから
その時はなんともないが
後から考えると空恐ろしい


悪事を非難し続けると
いずれ
自身をも攻撃することになる


厭世を気取っていても
やがて寂しさに打ちひしがれる


建前が本音を攻撃し
あるいは
本音が建前を攻撃するのである


朱に交わった赤は建前の赤である


そう割り切って
本音を擁護しなければ
精神を容易には維持できないだろう


だから
あまり赤くならないように
ほどほどに世を送るのがちょうどよい


これが
粋がった若者も
何時しかおとなしくなる道理なのだろう


なんともつまらないと言えば
つまらない話である


懲りるということがあり
本音と建前が静かに手を結ぶから仕方ない

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