思考と実体:富士山は物質か?無は存在するか?
富士山は日本を代表する山で
その美しさは日本人の誇りとするところである
その富士山に砂で埋めると
富士山は砂山になる
実在する富士山に砂で埋めるのは創造しづらいので
砂浜に富士山のような砂山を作り
その富士山に砂をかけてゆき
霧ヶ峰のようななだらかで大地のような山にする
こうしてできた霧ヶ峰の中に
かつて富士山であった物質はすべて元の通り存在している
これらの物質は富士山のままであろうか?
*
五円玉の穴や
ドーナツの穴は
空気の中にあれば
物質としては空気が存在し
水の中にあれば
物質としては水が存在する
空気であろうが
水であろうが
五円玉の穴は五円玉の穴であり
ドーナツの穴はドーナツの穴である
物質がないことにより存在する穴が開いている
*
在る時は無く
無い時には在るものは存在するか?
変な質問である
が
これに「健康」とう言葉を添えると
それほどおかしな質問ではなくなる
*
画用紙に鉛筆で
山を二つ書いてもらう
そうすると
山と山の間に谷が生まれる
「谷と山の境界線は
どこにありますか?」と聞いてから
山を緑色に塗ってもらい
谷を赤色に塗ってもらう
それとは別に
何の質問もせずに
空を青色で
山を緑色に
谷を赤色で塗ってもらう
それぞれ
どんな絵ができるだろうか?
*
頭の中に
様々な存在論が存在することができる
それぞれが
実体とそれぞれの関係性を作り上げている
この関係性を維持している生物学的関数として
感覚器などが存在している
このような関係性を維持している言語的関数として
辞書や百科事典などが存在している
様々な関数が現象している複雑系の海の中で
秩序の島が組織されている