所有権の根底に信心がある
所有者に関する信心と
所有物に関する信心だ

私のものと信じる心
彼のものと信じる心がないと
なにものも所有できない
これが所有者に関する信心だ

土地は所有しているけれど
空気は所有しがたい
これは
空気が流動的のため
所有すべき空気を特定できないからだろう
しかし
同じ空気でも
私の肺に入った空気は私のものだ
このように何を所有しているのか
これに関することが所有物に関する信心だ

呼吸は
空気の所有の開始と放棄の連続とも呼べるのだろう

土地も空気同様
天からの授かりものだ
必要な時に所有して
必要がなくなれば放棄してお返しすればいい

嫌でもいずれ
お返しする時がやってくる

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メモ

インディアンは
われわれの大地を所有していた
その信心は
開拓者の侵入により打ち砕かれ
大地が区画され
小さな土地の個人所有が始まった
そして
バッファローも邪魔者として
自分たちの大地から追い出されることになった

アメリカの開拓は
個人の力で個人が所有権を獲得したわけではない

集団の力が
別の集団を追い出し
その集団の内部で個人所有が認められたのだ

土地は個人が所有するという信心を持たない
自然やインディアンは
異端者として
邪魔にされ排除された

信じるものは救われ
信じぬものは排除され
秩序が成立している

所有の背景には信心がある
その信心は社会が懸命に培ってゆく

社会が崩れると
私のものであったものも
私のものでは無くなることになる
だから
私のものを守るために
私の社会を守らなければならない