記憶と記録
記録は融合しないけれど
記憶は融合する
10年前の私と
1年前の私と
今の私が
私の記憶の中で融合して
ひとつの私を形成している
経時的記憶の融合だ
夜
空にはたくさんの星が輝いている
これらの星は
一つ一つの星でありながら
星という類型として存在している
同時的記憶の融合だ
融合に供され
抽象化した私が
変質しながら成長している
成長の過程を振り返りながら
あの頃は、、、と
記憶を分離して思考する
融合に供され
抽象化した星々が
その特徴により分類される
記憶の分離だ
記憶は
動的な思考として流転する
その断面が記録として物質化に供される
この物質化された記録を眺め
再び記憶とし
記憶を融合したり分離しながら
思考を反芻する
この反芻を繰り返しながら
人間の営みは深みを増してゆく