象徴としてのリバイアサン
強大な力を持つリバイアサン
その支配により秩序が保たれる
この秩序に
守られる者は
リバイアサンを信奉し
この秩序に
虐げられる者は
リバイアサンを倒そうと
謀略を重ねる
*
潔癖症のリバイアサンは
どんな些細な反逆も罪も許さない
おおらかなリバイアサンは
失敗を大目に見て許し合う
自分のことばかりを
大目に見て
人に応じて厳しく接する
そんなご都合主義のリバイアサンもいるのかもしれない
リバイアサンは伝説の生き物だけれど
どこか
人間的だ
秩序は火の鳥のように
永遠を繰り返す
火の鳥のように
疲弊したら
また
若返り
リバイアサンも復活するのだろう
*
人権は
リバイアサンが守ってくれる
人間が人間の権利を守るのではない
リバイアサンが守るのだ
*
リバイアサンは社会の象徴であり
社会秩序の象徴であつて
この権能は民衆の総意に基くものである限り
存続する
相違に反する時
その権能は鈍り衰える
すると
人権は蔑ろとなり
民衆は
人権の保障を待ち望み
それを庇護する
リバイアサンの復活の時を
待ち望む総意が
再び湧き上がる