ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

局在と遷移:局在化による実存形成


とある人の
良いところを集めて羅列すると
人格賛美ができあがる


逆に
同じ人の
悪いところを集めて羅列すると
人格非難ができあがる


賛美される人格表現も
非難される人格表現も
とある人としての局在ではなく
とある人としての局在に対してなされた
外部の反応の産物であり
賛美される人格表現も
非難される人格表現も
その人にまつわり外部に局在化した実存だ


賛美される人格表現も
非難される人格表現も
それぞれに個性的に局在化している
そして
その個性的な実存が流布し受領されれば
その実存は存続し
その個性的な実存が受領されなければ
その実存は消滅してゆく


賛美される人格が残るのか
非難される人格が残るのかで
とあるひとの人生は
大きく左右されるので
実存は
リバイアサンのように恐ろしい
巨大な怪物だ


このように
言葉は
全体の中の一部を
局在化することが出来る


本を読むということは
この局在化した存在の中を散歩することである


散歩しているうちに
その散歩道こそ本当の世界であるような錯覚に陥り
この世を憂うこともある


生命は
それぞれに
一冊の本なのかもしれない


面白い本もあれば
悲しい本もあり
楽しい本もある


そういった具合に
様々な局在のなかで
それぞれの個性を輝かせている


全体ではなく
局在としての個性が輝く

局在と遷移:局在化する意味をその能力


局在化した部分と
その他全体との関係において
局在部分は
その他全体に対して反応する主体であり
また
反応される側としての刺激となる客体である


サボテンは
熱風に曝されても
水分を失わないように工夫するとともに
水を貯留する機能を持ち合わせている


このような機能により
砂漠の中で
サボテンが
自らの身体に水分が局在させている


局在を維持するために反応の成果である


このような成果は他の生物から狙われることになるので
このような反応に対抗しなければ
せっかく局在させた水分も
サボテンという局在に留めることはできなくなる


そこで
強靭なトゲを身にまとい
捕食されないように防御しているのだろう


サボテンの水分は
他の生物の誘因としての刺激となり
サボテンのトゲは
他の生物の忌避としての刺激となっているということだ


いずれにしても
水の局在性を維持するように
サボテンは
外界に反応し
外界に刺激を提示するように
自らを維持している


このようなサボテンの努力は
万能ではないらしく
サボテンすらも生えない砂漠もある


砂漠の中で
水分を局在させることに
どの様な本質的な意味があるのか?


こんな疑問を持たずに
サボテンは
水分を局在し続けているのだろう


サボテンにとって
水分を局在する意味よりも
水分を局在する能力の方が重要らしい


同じように
お金をかき集める意味よりも
お金をかき集める能力の方が重要なのだろう


意味があろうとなかろうと
局在化する能力が高いほど
その局在による存在は維持され
自然選択の過程で残存してゆく

局在と遷移:反応の局在化


局在化した部分と
その他の全体が接している


この局在化した側の接点において
局在化が維持されるような反応が
様々実践されている


局在化した存在にとって
局在化を維持する反応は良き反応であり
局在化に危機に危機をもたらす反応は悪しき反応である


だから
良き反応を集めることが出来る局在化した部分は
局在化した部分として存続できることになるので
概して
局在化した部分には
良き反応が集積している


これに対して
局在化した部分以外のその他の全体は
良き反応も悪しき反応も散らばって存在しているのだ


その結果
良き反応の集積が
局在化した存在の特徴となっている


循環論である


人間らしさを維持する反応が集積しているから
人間なのか?
人間だから
人間らしさを維持する反応を集積させているのか?


人間であるという結果を維持する原因の集積が
人間である結果をもたらしており
人間だからこそできることを実践することが原因となり
人間であり続け
人間であるからこそ
その原因である人間にできることを実践できるのである


いずれにしても
他の部分とは異なる局在化した部分が
維持され
その他の全体とは異なる
様々な局在化した部分が存続し続けている


肝臓は心臓とは異なる局在化した部分であり
細胞は細胞外とは異なる局在化した部分として
それぞれに特徴的な反応を実践し
それぞれの局在性を維持している


恋も
恋が及ばないその他の部分から局在しながら
維持されている


この局在性が失われると
恋も潰えてゆく


恋が
恋を局在化する反応を惹起しながら
恋自態を存続させている


渦が渦を呼び
渦が維持されているように
恋が恋を存続させている