１から１０まで数える

１の次は２と相場は決まっているので
１の次を３と答えてしまうと
間違いと指摘され
「1から１０まで数えられない」と
叱られてしまう

１の次は２
２の次は3
３の次は4・・・・

このような規範に従うことで
維持されている世界がある

同じように
インスリンA鎖のアミノ酸配列は
グリシンの次はイソロイシン
イソロイシンの次はバリン
バリンの次はグルタミン酸・・・・
と決まっている

このような規範と
それを実践する仕組みの存在が
世界が維持されている根拠となっている

規範と実践は
相補的な存在となり
相互に保持し合い再現し合いながら
世界を駆動させている

このような世界が
数字そのものや
アミノ酸そのもので決められていない
人間の記憶や
DNAの記憶や
それを数字やアミノ酸に連鎖反応させてゆくシステムにより
維持されている

他の存在なしに
成立しえない関係の中で
反応に特異性が付与されている

この特異性により
自由が制限され
世界の循環が維持されている

オートポイエーシスは
このような複合的システムにおいて
実践される
複数の反応が循環的に共役した
ひとつの単位世界で観察される