代替性がある辺縁の循環は途絶えても
主要部分の循環は保存される

よくある例えではトカゲのしっぽきりだ
トカゲは
捕食者にシッポを捕らえられても
そのシッポを切り捨て逃げおおす

人間の肝臓も
半分摘出しても
また元の大きさに戻る

皮膚の表皮細胞は
常に新しいものに代替され続け
使い古された細胞は
垢やふけとなり身体から剥がれ落ちてゆく

新陳代謝

新しい代替物の出現により
既存物は
循環の中心から辺縁に押し出される

辺縁は
自由に晒される場所であり
消滅しても大勢に影響がなくなることから
新たな循環を試行できる自由な場所となる

進化の視点からすると
辺縁は壮大な実験場だ

必ず規範通りに実践しなくてもよい自由が
消滅と次なる有用な規範作りの両義性を展開を可能とする

生物種の特徴には標準があるけれど
その標準から少し外れた
マイナーな特徴を持つ個体も存在している

自由であるということは
マジョリティの中に埋没した平穏から離れた
辺縁にある
危険な楽園に位置取ることともいえるのだろう