ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

トリプルワールド49


異常という言葉と
異質という言葉の違いを考えてみた


世界が上手く循環する現象の一つに
不都合が生じると
異常ということになる


ひとつの世界の中に
別の世界の現象が入り込むと
異質ということになる


異常は誤りなのだけれど
異質は誤りではなく
噛み合わせの悪い正常な隣の世界の現象の混入だ


仮に
赤色のことを
「白」と表現する方言があったとすると
その人にとって
赤色のことを「白」というのは正常だけれど
標準語を話す人には迷惑だ


その方言を話す人に
赤信号で止まるように教えるには
「白色になっている時には止まらないといけない」と
言わなければならない
あるいは
「あの色は白色ではなくて赤色だよ」と
教えなければならない


前者は方言世界の表現で
後者は標準語世界の表現だ


赤と白は
どちらも色であり
同じ場面で使われることが多い言葉であり
どちらの世界で話をしているか
はっきりしていないと混乱する迷惑な方言ということになる


端 橋 箸
こられは、みんな「はし」だが
使う場面がみんな違うので
同じ「はし」でもそうそう混乱しない


異質は
許容される場合もあれば
拒絶される場合もある


赤色を「白」という方言は
標準語に混在していると
言葉のやり取りという
言語世界の循環が大きく乱れるので
拒絶した方が便利である
これに対して
世界の循環がそれほど乱されない「はし」は
混在していても
それほど利便性に変わりはない


世界の共存は
既存の世界と新たな世界の混在の許容性に応じて
進んだり進まなかったりする


このような共存の加算を
拒むのか
受け入れるのか
の連続の中で
受け入れると世界の循環は拡張し複雑化し
拒み続けると
世界は小さな循環に留まることになる


多細胞生物は加算による拡張路線
単細胞生物は加算拒絶による現状維持路線を
長い間続けてきた


加算により
どれだけの異質を取り込んできたのだろう


本当の私は
異質の中に埋もれている

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