ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

トリプルワールド81


「今日は雨だね」
というところの「雨」は
よく遭遇する現象なので
きちんと名前を付けてもらっている


この「雨」が
仮に
ごくたまにしか起こらない現象だとしたら
「雨」と簡単に表現せず
「空から水が落ちてきた。そんなこともあるんだ」
なんて表現になるかもしれない


よく遭遇する現象に名前を授ける
反作用として
あまり遭遇しない現象には名前はつけられない


名前を持つということの意味の一つとして
名前を付けた世界の内部で
認知されているということになる


その名付けられた現象の認知は
さらに
その必然性をも考察されることになる


日暮れ時の雲の様子から
明日の天気を占ったり
朝の空気感から
今日の天気を予想したりする


このような現象と現象の蓋然性のつながりの中から
現象と現象の関係がさらに考察され
現象が次の現象を導く反応の原理が見いだされ
それを実験的に再現したりする


このような知見を集積して
思考が未来を予想する


実験がそうであるように
反応の原理を応用して
未来を思うように改変しようとすることができる


このようにして
思考は
未来の必然を創造しようとする


人間の思考により
改変された世界は
人為的な世界と表現される


人為的世界は
反応の原理を応用して
偶然や自由を制限して創られる


ある創られた世界の中では
思考は自由な発想を制限されている
しかし
思考が自由でなければ
別の世界を創造できない
だからなのか
人間は自由な発想から逃れられず
また別の世界に憧れたりする


発想の自由を求めているのだろう
今ある世界を離れて思考がさすらう


そして別の世界がきちんとした姿で現れ始めると
それを実践しようと
思考の自由を奪い始める

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