機械には保守が欠かせない

保守されず
長年放置されると
機械としての機能を発揮できなくなる

そうなると
ただの物質の塊だ

細胞の中で
細胞を維持するための細胞内小器官は
劣化して機能不全に陥る前に壊され
新しく形成された細胞内小器官が
壊された細胞内小器官の機能を引き継いでゆくという

子孫を増殖させる機能を受け持つ動物のオスもメスも
細胞内小器官と同じように
壊れる一方で生まれながら
増殖機能を引き継いでいる

古い部品が取り外され
新しい部品がはめ込まれ
機械が保守され
機械の機能が維持されてゆく

永遠を
このようにして引き継いでゆくことが
生命の偉大な夢なのだろう

この永遠の中で引き継がれてゆくのは
個体ではなく
機能である

機能がないと生存できない個体は
機能を保守し
機能を永遠へと導き続ける宿命を背負っている

機能を使うことで
機能に報じる

言葉も
使われることで
永遠への道を歩んでいる存在だ

使われるから価値があり
さらなる価値が生まれたりする

使われることだ

良かれ悪しかれ
使われなければ磨かれもしないし
引き継がれもしない

私は私を使い続ける

この使い続ける中で
主体が育つのだろう