ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

自己機械化現象:部品化としての他律


免疫系の細胞が
体内に入り込んだ異物を排除している


このような免疫により
自己以外の細胞は
異物として排除される


そのために
私を構成する細胞の一つ一つには
きちんと私の名が刻まれている


そして
私の名前が刻まれた細胞は
免疫系の細胞の排除を受けず
その名が刻まれていない細胞が
免疫系の細胞により排除される仕組みになっている


もっといえば
私を構成する細胞の一つ一つは
私に忠誠を誓うかのように
私の名を自らに刻み込み
私という総体のために
機能を発揮している部品となっている


これらの細胞たちは
きわめて強い部品化の統制下にあり
自律的に独立した細胞であるかのように振舞いつつも
きわめて他律的に全体のために奉仕している


多細胞生物の個々の細胞の間には
このような強い部品化がおこり
個体が保持されている


環境による
個体の部品化も
自然界にはたくさん観察されている


たとえば
ダーウィンズフィンチのくちばしは
食べる餌に適したものになっている


食べ物がくちばしの形を律しているのだ
被食者と捕食者の関係の中で
捕食者の形態が弱いながらも部品化され
被食者と捕食者の関係全体が継続していると
解釈することができる


生態系という全体の中で
他律的に
形態や行動を変えながら
生存への道を探りながら
生命は進化してきたのだ


食べ物が限られれば限られるほど
このような部品化は強くなり
専門家が進むであろうし
食べ物の種類が多様化すれば
このような部品化はより弱いものになり
一般化が進むということになる


人間社会には
多様な食べ物や
多様な職業が用意されている反面
多くのものがお金で換算できるようになっており
個人は貨幣経済下で強く部品化している


このような部品化圧力のもと
お金の引力から解放され
自由を手に入れたいがための手段として
大金持ちになりたい夢を見たりする


お金を欲しがれば欲しがるほどに
貨幣経済への部品化は進み
貨幣経済どんどん大きく成長し
機能も増やしながら
進化の道を歩んでいる


多細胞生物が
私の名前を刻まないと
免疫細胞に排除されてしまうかのように
定められたお金を所持しないと
貨幣経済から排除されてしまうのだろう


お金を所持することは
自身の部品化を推し進め
貨幣経済の一部として機能することだ


だから
そればかりに邁進していては
自分の存在意義が希薄になるのも仕方がない


貨幣をなげうっても欲しい何かに
憑りつかれなければ
ただ虚しくお金が廻り続けることになる

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