自己機械化現象:義務の体系
命は義務の総体だ
起こりうる現象のなかで
選りすぐった現象を次から次へと連鎖させ
生命を維持している
不適切な現象を排除し
適切な現象だけが起こる様に工夫を重ね
生命現象を維持している
右にも左にも反応できるのだけれど
どちらか一方を義務的に選び
命は命のとしての個性を輝かせている
このような義務の体系を維持する装置が
生命の根幹であるセントラルドグマが担っている
義務の体系は
義務を課す存在と
義務を履行する存在から形成されている
体系の部品は
義務を課す支配的性質と
義務を履行する従属的性質を兼ねており
外部からの刺激に
充足的に反応し
その結果として
支配的性質を帯び
他の部品を刺激する
このような
反応(従属)→刺激(支配)が
各部品の義務として起こり
部品間で刺激反応が連鎖して
生命が義務の循環を遂行している
義務の体系は
生命の多様性が示すように
絶対的ではない
そこで
義務を選択する自由が
個々の命に芽生えることになる
進化へのいざないだ
進化は今までにない義務の体系への飛躍であり
自由への飛躍なぞではない
だから
新しい自分に出会うためには
新しい義務への努力を強いられることになる