ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

対応世界:独立認識と統合認識


言葉の字面と発音と意味は
それぞれ独立に存在していると認識して
言語の恣意性を意識する世界もあれば
それぞれ関連して総体として存在しているとして
言語に恣意性を感じない世界もある


前者を独立認識
後者を統合認識と表現すると
知らない外国語や小鳥の言葉は
音と意味がそれぞれ独立している
独立認識世界であり
良く知っている言葉や母国語は
音と意味が自然に対応している
統合認識世界ということになる


言語の学習は
独立認識から
統合認識に変容してゆく過程であり
この過程を通して
字面と発音と意味の関係は
義務化され
その義務に従わない関係は
誤りとして排除されてゆく


義務が
字面と発音と意味の対応世界を創り出し
統合認識世界へと新たな地平の足場を形成している


相対的に
自由な独立認識世界と
便利な統合認識世界が
時空的には同時に存在していても
聴く側の言語習得具合に応じて
認識論的には異世界が展開している


このような
独立認識世界と
統合認識世界は
顔の表情と感情の関係や
感覚器がもたらす
外部世界と認識世界の関係にも観察され
標準としての統合認識世界と持つ者と
この標準から外れた認識世界と持つ者が
区別されたりする


猫には猫の
標準的な統合認識世界があるのだろう


義務が創る標準に
それぞれの立場で支配されなければ
その立場を維持できない


言語の義務に覆われなければ
言葉を語り得ぬことはできず
表情を読み取る能力を備えていなければ
表情を語り得ぬことはできないということになる


無意味を
意味のある世界に作り替える能力は
天賦として得て
それを鍛えなければならないらしい

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