ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

同調圧力:足とスリッパ


好きや嫌いにかかわらず
万有引力と同じように
同調圧力にさらされている


スリッパは日々足に踏みつけられ
その足の形に馴染む形に変わっていく


足からスリッパに向かう同調圧力だ


これと逆の方向
すなわち
スリッパから足にも同調圧力が働く


心地の良い場所まで足を入れ
それ以上でもそれ以下でもない場所に足を落ち着かせる


このように
双方向に働く同調圧力が調和すると良いのだが
たとえば
スリッパにセロハンテープが張り付いているような場合では
セロハンテープの存在により同調圧力の調和が阻害され
足がスリッパに馴染まないことになる


それでも
我慢して
セロハンテープが付いたままスリッパをはいていると
セロハンテープが足やスリッパの同調圧力を受け
スリッパと足の間に上手く収まり
セロハンテープは
さも存在しないかのように振舞うようになったりする


言葉と言葉の間にも
このような同調圧力が働き合い
相互に差異を認め合うようになっている


言葉は
知覚からも同調圧力を受けている


様々な同調圧力を受けながら
言葉はその意味を熟成している


そんな言葉から同調圧力を受け
人が思考したりして
その思考が再び言葉に同調圧力を仕掛け
円環的同調圧力の循環が成立している


この円環的循環が
人の思考と言葉が存在のひとつの礎だ


スリッパと足のように
言葉とその意味が調和し合いながら
言語の世界が維持されている


たまに
スリッパについたセロハンテープのように
新しい言葉が現れて
安定的に循環していた関係が乱されて
新しい意味や
新しい言葉が生まれてきたりする


このような言葉の変化は
ある意味一種の止揚である


止揚は
偶然のセロハンテープにより
その方向が変えながら進んでゆく
何処へ行くのか誰も知らない
自由な道筋を歩む旅人のようなものなのだろう


言葉はどのように変わってゆくのか
何時でもまるで分らない


言葉の世界も止揚思考の世界も
変わらないようでいながらも
確実に変わりながら
同調圧力を吸収しているシステムだ

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