ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

多元論:現実と理想の齟齬を埋める慣れ


自分では抗えない力により
自分の未来が決められている


それによりもたらされる不幸を思う時
世界に壊滅的な出来事が起こればよいなどと
不謹慎なことを頭をよぎらせることがある


たとえば
台風が急にきて
出席したくない行事が
急遽中止になったりしないかとか
自らの準備が間に合わず
会社の会議に出席したくない時に
何らかの理由で電車が止まり
会社に行けなくなれば良いと夢想したりする


嫌なら
行かなければよいだけのことであるのに
自分は行くつもりだったのに
諸般の事情で行けなくなったという理由が欲しい


自分は責任感が強く
今の自分を支えてくれている存在から課された義務を履行する


そんな体裁を整えながらも
自由な自分も確保したいのだから
もともと無理な願いだ


そんな無理をわかりながらも
避けたいことを避けたいと願いながら
避けたいことを避けずに向かい合い
日々を過ごしている


このような現実と理想の齟齬は
現実世界の他に
夢見る世界があるから生まれてきてしまう


夢と現実の二元論の狭間で
悩み
苦境を乗り越え
折り合いをつけている


大きな断絶のある二つの世界を
細い糸で結びながら
日々を紡いでいるとも言えるだろう


この紡がれた糸が太くなり
現実と夢がうまく結びつくと
平々凡々な日常が生まれてくる


夢から見た異次元の世界である現実は
習うより慣れるべき存在と言うことだ


鳥は
大気に慣れ親しむ力を授かり
大空を舞うことに慣れ親しみながら
地上を見下ろしている


飛べない私は
飛ぶ鳥を眺め羨むことに慣れ親しんでいる


不満も
慣れれば不満でなくなるからありがたい

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