ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

多元論:動物たちの多元的倫理


人間と
人間以外の動物との関係は
多元的だ


乳牛と肉牛は区別され
異なる倫理が働いている


鶏と豚は
糞尿にまみれた
せまい場所に拘束されている


猫や犬は
愛玩されながら飼われなければならず
食肉用に
鶏や豚のように飼育されてはいけない


野生動物にたいしても
差別をすることが倫理的とされ
イルカやクジラは保護し
畑を荒らす害獣は駆除の対象だ


自分がされたくないことをしてはならない
自分がしてもらいたいことをしなければならない


この倫理の大原則は
「そうはいっても」と理論武装され
徹底的に厳守されることはない


「人間ではない」という理論が
それぞれの動物たちに人間とは異なる倫理を提供してきた


「かわいい」「かわいくない」という感情が
動物たちの間に異なる倫理を許容してきた


「おいしい」「きもちわるい」という尺度も
豚を増やし
ネズミを食肉用に増やさないという区別を生んできた


こうして定言命法は
区別の中で条件付きとなる


区別することで
毒と栄養を見分け
生き延びてきた命


倫理も
生き伸びるための術のひとつなのだろう


人間も動物だ


誰かが生き延びるために
何かが犠牲として
誰かために隷属せられている



「あなた」という言葉と
「わたし」という言葉で
あなたとわたしは区別されている


この区別がもたらすものは
無限に広がっているということでもある

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