ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

多元論:現実と思考を結ぶシュールたち


「電気」という単語は動かないから
いつも同じく「電気」として存在する


「動く」という単語も動かない
「動け」という単語も動かない


単語は
動かないから
いつまでも同じままでいてくれる


そうでなければ
記録や記憶も
現実と同じように時間がたつと変わってしまう


この動かない単語たちを
選び取る組み合わせを動かして
思考が始まる


だから
動かない単語を使いながらも
思考は動き回ることができている


思考は
単語をつなぐ関節の様だ


柔らかい関節も
硬い関節もあるのだろう


関節をいくつも連ねて
鎖のように長く単語をつなげて
それゆらゆらを揺すると
なぜだか
思考の意味が湧いて来て
その意味もゆらゆらと揺れ動く


最小単位にして不変の単語は
思考の元素だ


単語にはいくつもの手があって
物質の元素と同様に
その手をつなぐ相手を選ぶ性質があるようで
「無敵の勝者」はありうる組み合わせだけれど
「無敵の敗者」はありえない組み合わせと考えられている


「美しく動く」は良いけれど
「美しい動く」はよろしくない


よろしくはないけれど
「無敵の敗者」
「美しい動く」といったおかしな表現を形成することができる


元素記号を使って
分子を表現することができるが
現実にはあり得ない分子を
元素記号を使って表現できるようなものだ


単語が不変であることで
時間から解放され
単語が独立していることから
どんな組み合わせでも許容できる潜在がある


このような性質が単語にあるので
それを原料に形成される思考には
他から影響を受け動き続ける現実とは
異なる存在を造り出す能力がある


この能力を
制御して
より現実らしく思考の世界を動かそうと
「無敵の敗者」
「美しい動く」というおかしな表現を排除して
思考の世界を現実らしく仕立てている


仕立てる技量により
さも
ないものがあるように仕立てることもできるから
お化けや怪獣や妖精が現れては
思考の世界を彩ってくれている


思考の中で
シュールレアリズムの次元が拡がる

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