物質は動く

同じ物質でも
様々にな動き方をする

投げたボールは
右に曲がったり
左に曲がったり
急激に落ちたりもする

ボールの投げ方により
ボールの動きに傾向性が顕れるように
磁石に引き寄せられる鉄や
風に流される木の葉の動きのように
自然の中にはも
物質の傾向性を観察できる

傾向性が維持されると秩序になる

磁場が無くなったり風が止めば
これらの傾向性も消失してしまうが
ずっと磁場があり風が一定方向に吹いていれば
秩序ある動きが再現され続ける

このように
傾向性は
物質間の関係に基づくもので
物質単体で現れるものではない

ある物質が
別の物質のぜ潜在的な傾向性を顕在化させることで
このような傾向性が顕れ
このある物質がなくなると
顕在化していた傾向性が消失することになる

物質には多面的な潜在があり
環境によりどの面が顕れるか変わってくるということだ

どのような側面を強調するかを制御することにより
原子力も
原子力発電所のような平和利用もあれば
原子爆弾のような破壊的利用もすることができる

はさみは
紙をきれいに切る便利な道具だが
凶器にもなる

普段温厚な人も
ひとたび怒らせると手に負えないこともある

システムは
そのシステムが維持されるために好都合な物質の側面を
相互循環的に引き出しあい成立している

このような引き出しあいにより
システムが維持され
それを構成する物質も同じ態様を繰り返す

システム内において
同じ態様でいることが善であり
この善を維持するために
相互に存在しあっているのだ

善を導くことが
利他であるならば
システムは利他の総体ということになる

構成物の利他により
システムが維持され
システムの維持により
構成物の存続という構成物の利己性も満足される

このシステムが存続するために
他のシステムとの競合することがある

このような状態で
各構成物も存続の危機にさらされ
更なる利他的な関係性が模索されたりする

システムの中に利他の風が吹き荒むのは
システムが危機に瀕しているからなのだろう

緩やかな利他の風の中で
穏やかに過ごしていたい