しょせん人生ひまつぶし

どうせひまつぶしなら
楽しい方がいい
自由な方がいい
余裕がある方がいい

しかも
それを長続きさせ
長く生きたい
長いことひまをつぶしていたいから
せっせと長生きできるように働くことになる

働くことは
人生の目的ではなく手段であり
人生の目的はひまつぶしだ

自由はでたらめになることではなく
ひまつぶしをする余裕の尺度だ

充分食べ
充分寝て
生きることに余裕ができた時に
ひまつぶしができる
考え事ができる
空想に耽り
小説や音楽を楽しむことができる

私は
私が余裕を持つために働く時間を設けている

利己的な私が自由を謳歌し
利他的な私が
ひまつぶしをする私のために働いている

こうして私は
私の余裕を生産し
私の余裕を消費する循環の中にいる

大雑把に言ってしまえば
私は
生み出した余裕を消費して
結局何も残さずに
ただ時間を費やして
ひまをつぶしてる

しょせん人生ひまつぶし
どうせなら
楽しい方がいい

たった一度の人生ならなおさらだ

永く楽しい方がいい

そのために
何をすべきか考える

ここにおいて
知への愛が生まれてくる

だからなのだろう
きっと
哲学は暇を愛する学問だ