ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

内部と外部:関係を築く知


私は
私の右手のことを
どれほど知っているだろうか?


たしかに
箸を持とうとすれば
右手はうまく動いてくれるし
字を書こうとすれば
上手にはいかなくとも
それなりに字を書いてくれる


目を閉じていても
どの指が伸び
どの指が閉じているかもわかる


しかし
どの様に血管が伸び
どの程度の血液が流れているのかを
私は知らない


むろん
今何個の細胞が分裂期にあるのかも
私は知らない


細部詳細まで知れなくても
私の右手は私の一部だと思っている


右手を構成する細胞にとって
血管に血液が流れていることは
生命線だ


そんな生命線の状態を知らなくても
私の右手は私の一部だと思っている


停電であるか?
断水であるか?
そんなことも知らずにいるような状態でも
私の右手は私の一部だと思っているようなものだ


右手に
うまく動かなかったり
浮腫で痛み始めるなど
不都合が生じてくれば
右手の状態に不備があることに気が付くのだろうが
細かい変化を把握できずにいる


それでも私の一部だ


内部関係も
外部関係も
通じているところで通じているだけで
通じていないところは通じていない


相対的に
通じていることが多いと内部関係で
少ないと外部関係だ


知るということは
関係を確かめることであり
関係を通じさせる努力だ


知は
内部の関係や
外部の関係を確かめながら
さらなる関係を築く努力ということなのだろう


敵対関係をも気づく努力でもあるから
知らずにいた方がよいこともあるのだろう

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