ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

循環と義務:人間性の深みを知るということ


潔癖症な人ほど
自らの汚れと向き合っているのだろう


自らの汚れに気が付かなければ
あるいはそれを気にしなければ
それを振り払い
清らかさを保つことはできない


汚れを受け入れ
汚れたままの姿で過ごすことは
潔癖症な人にはできないだろう


潔癖症とは言えない私ですら
自分の薄汚れた姿に自己嫌悪を感じることがある


潔癖症の人は
さぞかし自己嫌悪や自己矛盾を感じているのではないか
などと 想像すると
少し気の毒になる


清らかな体を保とうとしても
身体は自ら汚れをまき散らす


清らかな心を求めていても
絶えず
薄汚れた欲望が沸き上がるのだ


罪を犯してでも
狡猾な方法を駆使してでも
欲望を満たしたくなる時がある


心の奥底に
反社会的な自分を抱えているのだ


そんな反社会性を
抑圧し
社会的な自分を取り繕い
平穏を維持するために葛藤を繰り返す
そしてその欲望への誘惑を耐え忍ぶ


社会的潔癖症を維持するために
葛藤と忍耐を繰り返すのだ


衛生的潔癖症

社会的潔癖症は
共に
自らの非を非として認め
それを排除することで維持される清らかさだ


世間から課されている義務を履行し
世間との交流を円滑に循環させるために
自らの非を排除するのだ


しかし
完全に排除することはできず
ただ隠しているだけだ


だから
隠しきれぬ非が
突如として現れることがある


裏の顔だ


世間に現す表の顔のほかに
世間から隠す裏の顔が出来上がる


この隠された裏の顔を
暴き出し
理解することが
人間性の深みを知ることなのだろう


何を隠し
何を隠さずにいてよいのか?
場所によりさまざまだ


世間は多様で多彩だから面白い
何より
人間の住処は世間だけでないから複雑だ


子供のころ
「大人はずるい」と感じていた


このずるさに
人間の深みがあるのだろう

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