予定と実践:循環の中に吹き込む新風
私の細胞の中で
先祖代々踏襲してきた生体反応が
日夜繰り広げられている
この踏襲の系譜は
ネズミや
オポッサムなどの哺乳類をはるかに遡り
ホヤのような脊索動物や
アユやヒラメといった魚介類
ヒトデやウニのような腔腸動物にも遡る
もっと言えば
大腸菌や乳酸菌にまで遡る系譜も含まれている
生体反応の実践は
酵素群を中心に行われているが
生体反応の予定は
DNAという核酸の複製が中心になり行われている
予定の象徴として
鶏の卵があり
実践の象徴として
鶏の親鳥がある
卵は親鳥となり
親鳥は卵を産む
この繰り返しの循環の中で
予定は実践され
実践が予定を保持しながら伝えてゆく
この循環の中で
予定と実践は異質でありながら同等な存在として
存続してゆく
私のDNAは
私ではないけれど
私なのである
踏襲してきた私を実践することで
私は踏襲され続けてゆく
そうして
私は
踏襲された予定を蠢き続ける
社会の中に吹き荒れる
宗教や
法律や
科学や
哲学を
新しい風として向かい入れながら
予定されている実践を蠢き続ける
おそらく
きっと
卵と親を循環するために