ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

触媒と必然:分離を促す力


同じものと
違うものが交じり合う


そこにそれぞれを分離する力が働くと
同じもの同士が集まって
結果として
違うものとは混じらないようになる


水と油も
重力がないと交じり合うのだから
はなから交じり合わないと言う訳ではない


水と油も
それぞれの性質のみで分離しているわけではなく
重力という第三の力で分離しているということだ


物質を分離するのに
クロマトグラフィーという技法がある


例えば
ペーパークロマトグラフィー


これは
ろ紙の端から水を吸わせると
ろ紙の上の方へと
しみ込んだ水が流れてゆく性質を利用している


このようなろ紙の水の流れの途中に
例えば万年筆のインクのような色素を塗っておくと
インクの色素もその水に溶けて
水と一緒に移動する


この移動する際に障害になっているのが
ろ紙の表面のガサゴソだ


インクには
いくつかの種類の色素が交じり合っているのだけれど
粒の大きな色素ほど
ガサゴソに邪魔されて動きにくくなるので
ろ紙の水の流れに沿ってゆっくり動くことになる


逆に
粒の小さな色素は
ガサゴソに邪魔されにくく
ろ紙の水の流れの先頭の方を移動してゆくことになる


インクの色素として
交じり合っていたものが
ろ紙のガサゴソにより分離するのだ


ろ紙のガサゴソは
インクの色素を分離する触媒だ


水と油を分離させる重力と同じような
第三の力だ


知識は
様々な物事を分離し続ける触媒であり
第三の力だ


分離せらるるそのものではないが
分離せらるるものに大きな影響を与える
第三の力であり
必然を導く触媒だ

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