ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

触媒と必然:新たな世界へのあこがれ


帰納法が先入観を創り出し
その先入観が触媒となり
私の行為は誘導されている


例えば
「右」という声が聞こえると
右を向く


「右」という声で
左を向いてしまうと
馬鹿にされてしまうので
私は利口になりたくて
右を向けるように
自分を自分で鍛えてきた


馬鹿は良いものでなく
履行はいいものだというのも
とても大事な先入観だ


貧乏より
金持ちの方がいい


辛いよりも
楽な方がいい


それなものだから
利口になりたくて
金持ちになりたくて
いつの間にか
辛い道を選んだりする


選んではしたものの
辛さに耐えられず
右と言われ右を見るのをやめて
左を見るようにしたりする


帰納法的先入観は
次から次へと現れてくる誘惑だ


景色が変われば
誘惑も変わる


そこで誘惑に負けぬようにと
目を瞑ったりもするのだけれど
誘惑を求めて
また
目を開きたくなる


いっそ盲目になれば
誘惑もおさまるとも思うのだけれど
初めから盲目であったわけではなく
すでに蓄えてしまった先入観の誘惑を
どうした諦めればよいのか
途方に暮れることになる


仮に初めから盲目であっても
目に見える世界のことを
人づてに聞き
人知れない先入観の誘惑にかられることだろう


未知の世界へのあこがれは
どれほどに魅力的な誘惑をもたらす


そんな類の未知なるものに
まだ会えるような気がしている


そんな何かを探し続けている


新たな世界
新たな希望
新たな先入観
新たな帰納法


右でもない
左でもない
上でも下でもない何かを
あてどなく探している


今ある先入観や帰納法を
しっかり確保しながら
新たな世界との出会いを
のうのうと待ちわびる


もしかしたら
死出の門出も
そのようなものなのだろう


そしてその時
今ある先入観や帰納法への執着が
辛さを演出してくれるのだろう

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