ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

道程の設え:設えと機能


花火師は
花火玉に点火するまでに
全てを注ぎ込まなければならない


点火してからは
それまでに設えてきたことに任せるより仕方がない


もう手出しはできない


無慈悲な物理法則に任せ
設えてきたことがどのように開花するのかを
眺めることしかできない


花火の設えは
無慈悲な物理法則がどのように働くのかを
逆算しながら実践される人為的な営みだ


これに対して
夜空を彩る火焔の宴は
設えに応じて起こる連鎖的な物理反応であり
設え以外には人為的にしえない反応だ


花火は玉か?それとも花か?


花火の本質が
花火玉に仕込まれた設えならば
花火の本質は人為性にあり
花火の本質が
夜空に光る火焔の彩であるならば
花火の本質は燃焼現象ということになる


「たまや~」


爆音とともに花開く光の彩を称賛する時
その設えをも賞賛する


この掛け声に象徴されるように
工夫と努力の下で設えがなされ
それが美しい花として夜空に開く道程が
一連のものとして
花火の本質をなしていると考えられる


本質は
時間の切れ端ではないということだ


ひまわりの本質は
ひまわりの種でもあり
ひまわりの葉でもあり花でもある


ニワトリの本質は
ニワトリの卵でもあり
ニワトリの生体でもある


一連の道程が
生命の本質であり
花火の人為的な設えのような
生物学的な設えの過程と
その設えが
物理的に機能する過程が混在しながら
その道程が循環している


あえて言うならば
この道程の循環こそが生命の本質だ


私も
設えられた範囲の中で
身体を曲げ伸ばしできるようになっている


曲げようと思うだけでは曲がらないし
伸ばすにも限度がある


妄想も設えとして
現実に鍛えられながら
実践すべき時を待っている


現実に適応した設えの創造が
生物学的になされ
生命進化の歴史があり
現実に適応した設えの創造が
人為的になされ
科学技術の歴史が進んできた


人の心に適応した設えの創造が
言論としてなされ
人文科学の歴史が進んできた


とある現実に即した触媒の複合体が
それが機能し
反応の連鎖を開始する時を待っている


設えとしての仕掛けは
目にはそれとは見えずとも
とても大きな意味を持ちながら
静かにその時をまっている


その設えは
どんな花を咲かせてゆくのだろう

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