ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

道程の設え:触媒の岸に囲まれて


生命は
数々の酵素反応の連続により維持されている


酵素反応は
その触媒作用により
他の反応ではなく
特定の化学反応が起こる現象である


触媒が
きちんと反応を支配しているから
酵素反応が起こり
生命活動が維持されているのである


生化学反応が川の流れであるならば
酵素による触媒は川の岸であり
生化学反応は被支配者であり
酵素は支配者であり秩序の源だ


この支配者の酵素もまた
被支配者である生化学反応により形成される


このような円環的支配の中で
生命活動が循環し
維持されている
そして
細胞周期が回転したり
世代交代が進んでいる


このような円環的な支配構造は
人間社会の中にも存在し
自己組織化の肝心要を担っている


川が岸になり
岸が川になるメビウスの輪
このメビウスの循環により
動的平衡が維持されているのである


この動的秩序は
流れのどこかが淀むと
腐りはじめて崩壊する


私の身体も
どこかが淀むと
全体が淀み崩壊への道をたどるのだろう


結果として
全体のために
部分が機能しているように見えのではあるが
部分は
決して
全体のために機能しているのではない


ただ
このメビウスの輪が切れないようにと
踏ん張っているだけなのである


全体は
部分には知り得ない全体の設えである


一握の火薬には
花火玉を知ることはできない
ただ感じるのみである


触媒の岸に囲まれて
メビウスの輪の中を
化学反応が流れている


妄想の岸に囲まれて
メビウスの輪の中を
伝統が流れている


メビウスの輪の中で
文字はいつの間にか意味になり
意味はいつの間にか文字になるのである


メビウスの循環の中で
未来に進みながら
今を未来に留めているのである


メビウスの循環の中で
支配する時もあり
支配される時もあり
支える時も
支えられるときもある


そんなメビウスの輪のなかで
今を未来に押し留めながら
生きた化石たちが
今を未来に維持し続けている

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