ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

局在と遷移:年老いて社会の周辺に追いやられてゆく


面の皮が厚くなるということなのか
年を取るにしたがい
聞きたくないことを聞かないでおける横柄さが
次第に身について来たような気がする


どんな些細なことにも耳を傾ける


そんな殊勝なことをし続ければ
こちらの身が持たない


何をしても疲れやすくなり
自分のこともままならない気分でいるのに
他人のことにまで気が回せない


こんな言い訳を
正当なこととしか思えなくなってくる


社会正義について議論を戦わせ
正義を実践することよりも
持病や衰えた気力体力と
どう折り合いをつけるかの方が課題になってきたのだから
今でき得ることで精いっぱいで
社会正義のために身を粉にする覚悟など
持つ余裕がない


そんな風になったのだから
社会のことは若い人たちに任せるより仕方がない


任せたら任せたで
文句はあるけれど
お程の不便がなければ
若い人たちに鋭く対抗して
それ相応の対抗処置をする覚悟も湧いてこない


社会形成に参加するというより
社会形成を傍観するようになるということだ


社会という局在の周辺で
傍観しながら
「どうすべきか」という課題より
「何ができるか」という課題こそが
現実的な問題なのだ

夢よりも現実に寄り添うようになってきた


青年は大志を抱き能動的に
老年は現実を見つめ受動的に

いったところなのだろう


この老年の受動性で
出来ないことは無理をしなくなり
気楽に生きてゆけるようになってきた気がする


これを
人生の余裕というのだろうか?


いささか寂しいが
あれをしたい
これをしなければ
などと
どこか気ぜわしく動き回った若いころに比べ
心落ち着き過ごす時間が増えてきたようで
それはそれで
ありがたき幸せだ


局在の中心でもみくちゃにされるのではない
周辺で緩やかな風に吹かれ日向ぼっこをしている
そんな気分にしたれるひと時がありがたい


子供のころからあこがれている猫に
少し近づけたような気がする

×

非ログインユーザーとして返信する