ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

善悪の起源 適当な適切 種の起源


善が何であり
悪が何であるか?


善悪は
アプリオリなものではなく
アポステリオリなものだ


しかし
アポステリオリなものだとしてしまうと
説得力に欠けてしまう
たとえば
紛争があって
それを解決しようと善悪を持ち出しても
  「そんなこと誰が決めた。
   そんなの関係ない」
こういわれては元も子もないのだから
善悪はやはりアプリオリであり
だれもがそれに従うべきものである方がよい


だから
善は初めから善であり
悪は初めから悪である
カエルは初めからカエルであり
ナマズは初めからナマズである
こういった論を形成し
それが決定論であるかのように
仕立てるのが
人間社会の工夫である


善悪も
生物種と同様に
あれこれ変わらないように
人智により工夫され
さも、はじめから
いかにも
そうであったかのようにいてくれるから
ありがたい存在なのだ


ーーーーー
メモ


法世界の構造は
  まず善悪があり
  紛争があり
  先存の善悪により紛争を治める
という順だ


立法世界の構造は
  まず紛争の想定があり
  議論があり
  善悪を定義し予定調和を図る
という順だ


このように
善悪の定義の先後に
紛争を思考できることから
善悪の起源と紛争は
密接に関係していると考えられる


紛争は
コストパフォーマンスが悪い作業であり
進化論的には
個体を進化の単位と考えても
社会を進化の単位と考えても
避けるべき行動だ


言い方を変えると
自由はコスパが悪いから
規範を作り効率よくしよう
という進化戦略のもと
善悪が進化してきたということだ


そして善悪をアプリオリだなくとも
権威づけるために
権力者を設けて善悪に重みをもたせる戦略が
様々に開発され
より大きな善悪の体制が進化してきた


ソクラテスが対峙した
ソフィストから
「正義は権力者の意に沿うことである」
との主張があったという
善悪の進化の現在態にのみ
関心を向けたものであり
深みのない言説だ


既存の善悪が
いかに進化してきたのか?
これからどのように進化しうるのか?
そんな視点もないと
秩序はより高度かつ複雑に進展する潜在を失うことになる
この意味で
ソフィストの正義は
大腸菌のように
これ以上は複雑にしない小さな組織に適した
こぶりの正義だ


家庭とか
学級とか
仲間内など
こぶりの組織に適した正義だ


権力者の場当たり的な正義も
アプリオリに
有無を言わさぬから
秩序が収まる


適当が適切に化けるのだ


適当に発生する遺伝的浮動が
なぜか生態系の秩序に収まる時がある
それが
種の起源の入り口だ

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