ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

紛争スパイラルにもまれる進化の途上


紛争を予防するには
どうしたらよいだろうか?


そんな思いから
自由や平等や公平といった言葉が湧き上がる
しかしながら
往々にして
それぞれが自分にとって
都合がよい自由や平等や公平を思い描くから
始末が悪い


これが論争の種になり
紛争に至ることになる


紛争があり
それを予防するために考えたあげく
また
紛争を導いてしまうのだ


以上のように
紛争から紛争へ至る紛争のスパイラルがある
そこで
このスパイラルを鈍らせる方法も
様々考えらることになった


思い切って雑駁に言ってしまうと
「自分がされたくないことをしてはいけない」
カント先生の定言命法があったり
「自分の身分や立ち位置を知らないことにして
 正義を考える」
ロールズ先生の無知のベールがあったりする


自分に都合の良いことを排除することで
先の紛争の循環にブレーキをかける戦略だ


他人と自分を
なるべく同じに扱いましょう
他人を自分と同じように愛しましょう
そんな感じなのだろう


しかし決して
自分は他人ではないという
非常にわかりやすく原初的な感覚が邪魔をする
だから
その実践は厄介極まりない


それでも
紛争は嫌だから
なんとか紛争のスパイラルを避けようと
自愛をしながら
他人や世間を思いやる


このような思いやりが調和して
紛争と同居しながらも
社会秩序がゆるやかに現れているようだ


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メモ


正義には
押し付けがましいところがある


だから
平等のためには
こうしなければ
ああしなければならない・・・などと忙しい
言われると
確かに平等だなと思っても
素直に従えないところも出てきてしまう


このように素直になれないところも
強制されてゆくことに同意が成立すると
ルソー先生が言うような社会契約が成立する


反面
あまりにも押しつけがましい契約は
捨て去ってしまえということになる
所詮集団幻想としての契約
もとの単なる幻想に戻してしまえば
それまでなのだ


このような紆余曲折を経ながら
改良が重ねられ
出来上がってきた集団は
そのコミュニティーの内部で
予定調和が安定的に代々承継され
秩序が維持されてゆく
だから
サンデル先生に代表される共同体主義は
このような調和が大切と考えている
・・・ようだ


共同幻想は
具体的な経験を基に
淘汰選択しながら
集団で共有して積上げてきた情報だ
コミュニティーは
この情報たちにより
紛争のスパイラルを
安定的に阻害してゆく進化の系譜だ


しかし
言うまでもなく
幻想を共有するものの為の系譜であり
狼の系譜には
ウサギの都合は考慮されない
そこで
コミュニティー以外への処遇が
大きな問題として残ることになる


共同幻想が高度になり先鋭化すればするほどに
問題が大きくなってゆく


集団幻想の系譜間でも
定言命法や無知のベールを働かせて
紛争を阻害してゆこうという
グローバリズムも志向される


ところが
グローバリズムの問題は
どこか地球の裏側の話をしているようなところがあって
私の生活からは
遠い遠いところにある
自分より遠い他人
もっともっと遠い
地球の裏側の他人たち


重力の強さも
距離の近さに大きく相関するように
自分の体と
地球の裏の人の体は
遠いゆえに
思いやりの強さに違いがでてしまう


この距離感による区別に
人智はいかに対応してゆくだろう


許容と拒絶が天秤が揺れ動く


時代に即し
程よく自愛し
程よく地球愛したいものである


さりとて
自分と他人に距離感がある限り
社会も生物種も
いつまでも進化の途上にあるということだろう

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