銃口を向けられると恐怖する

この恐怖心がなければ
随分と楽に死ねるのだろう

怒鳴られても
叱られても
どんなに苦しい作業を強いられても
辛さを感じなければ
恨めしさも生まれてこない

私はもっと素晴らしい状態で
もっともっと幸せに生きてゆかなければならない
そいうふうに生きてゆくべき存在だ
・・・こんな自己肯定感さえがなければ
　　　恐怖心も
　　　辛さも
　　　恨めしさも生まれてこないのかもしれない

　　　そうなれば
　　　苦痛を感じることもない

しかし実際には
銃口を向けられると恐怖する
否定的な言葉の銃口を向けられると委縮する

苦しみを感じるように生れ落ち
苦しみに鞭打たれながら成長し
やがて死んでゆく

ひとつの生命のゴールは
何時だって死亡だ

ゴールしても
すでに次のレースが開催されていれば
レースは承継され
死も承継されてゆく

こんなふうに
命は
死を作り続けるシステムだ

このシステムから逃れるのは
死することに他ならない

生物種としてのこのシステムからの離脱は
絶滅だ

このようなシステム破壊を忌避しようと頑張ることで
生命の尊厳を維持して
その裏側で
生命は苦しみと死を創り続ける