ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

局在と遷移:アポステリオリな局在化


言葉は
それが言葉として機能すると
何らかの局在を産む


常に
言葉が機能すればするほどに全体は遠ざかる


単語は
それが意味する対象と
それが意味しない対象を区分することにより
成立している


意味する対象を局在化することにより
成立しているということだ


全体ではなく
部分として機能しているのだ


単語の周囲に
意味としての実存が局在している


その昔
「厠」という単語の周りに局在していて意味は
やがて
「便所」という単語の周りに局在しはじめ
いまや
「トイレ」という単語の周りに局在し始めた


その昔
「バンド」という単語の周りに
腰に締めるズボン用の帯としての意味が局在していたが
その後
「ロックバンド」が「バンド」と省略されるようになったこともあり
ズボン用の帯としての意味は
「バンド」という単語の周辺から離れはじめ
ズボン用の帯としての意味は
「ベルト」という単語の周りに局在するようになってきた


「バンド」という単語に
アプリオリな意味は宿っていないのだ


アポステリオリに意味が局在しているのだ


このアポステリオリな局在化が
言語を維持している


その意味をその単語に局在化することの
有益性
有害性が評価され
両者のが統合評価である有用性が高ければ
局在化が推進され
逆に
有用性が低ければ
その局在化は緩んでゆく


こうして局在化が緩むと
その単語の意味は不明瞭なものとなり
有益性は低下する


単語は
局在性が保たれ存続してゆく局在だ


使われなくなった単語は衰退する


局在化していないその他全体へ回帰してゆくのだ

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