人間は捕食者で
牛は被食者である

この定説が支持されている世界で
牛はと殺され
食用肉に加工され流通し
食卓を彩っている

この定説の形而上には
人間の味覚が存在している

さらにその形而上には
牛肉を消化し吸収する消化器が存在し
消化した牛肉の栄養素を利用する
人間の細胞群が存在している

牛肉が岩のように
美味しいものではなく
牛肉が消化され吸収されない存在であり
人間の細胞群がその栄養素を利用できない存在であるならば
人間は捕食者で
牛は被食者である
という定説は
人間に支持されない定説であり続けるだろう

猫や犬は
人間の被食者ではない
とする定説がある

この定説の形而上には
人間の
犬や猫をかわいがる性質が存在している

様々な定説が
共有されている

反対意見もありながらも
多数派を占める意見が定説として
世界の秩序維持に貢献している

こうした定説にしたがうことで
安心して
牛を食らい
犬や猫をかわいがることが出来る世界が維持されている

牛を食べることは
確かに悪いことかもしれないが
相しなければ私が死んでしまうかもしれない
それにみんな食べているじゃないか

猫や犬は食べないよ
だって
誰も食べていやしないじゃないか

みんなそうだ
昔からそうだ
これからもそうだ

定説が維持され
その世界の秩序維持が好循環を繰り返す

この好循環を邪魔する定説は
秩序を壊す悪の説法だ