局在と遷移:正義が熟成するもどかしさ
正義はもどかしいところがある
とある正義を実現するために
別の正義を否定し
あるいは
その別の正義を乗り越えなければならない時があるからだ
*
正義は
不平等を作り出す
この不平等の上に
秩序が成立している
右側通行している車と
左側通行している車は
決して平等には扱われない
4人の神様がいて
それぞれが
絶対にして唯一の神である
神様の一人は
左側通行を良しとし
別の神様は
右川通行を良しとし
そのまた別の神様は
どちらも良いが逆走はやめようと言い
そのまた別の神様は
どちらもやめようとおっしゃった
そんなもどかしさのなかに
正義は鎮座している
神様は
神様に従うものの中で正義であり
従わぬ者には正義ではない
この従わぬふとどきものを乗り越えなければ
正義は日の目を見れない
そんなもどかしさがある
*
国と個人の間にも
それぞれにもどかしい関係がある
そうでなければ
国のために個人があり
個人のために国があるという
どっちつかずの関係は維持されまい
個人に傾けば国は崩壊し
国は個人を守れない
国に傾けば
国は個人を守り攻撃する
正義は不平等を作り出す
肉を食らうために
牛を殺す
人間は捕食者で
牛は被食者と定められている
こうした不平等を正当化するために
正義は維持される