ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

局在と遷移:人工的自由と自然な自由


人間は
人間が生きやすいように
外部に秩序を形成している


たとえば家がある


家は
外部の野蛮な自然から
隔離した暮らしを守ってくれる


たとえば言葉がある


言葉は
外部の自然を表現し
それを知らせ合うことで
生きる手助けをしてくれる


たとえば国がある


国は
外部の野蛮な国から
素晴らしき故郷を守ってくれる


たとえば科学技術がある
科学技術は
様々な物質の性質を利用して
便利な機械を創り
生きる手助けをしてくれる


人間は
自然に人工的な物事を加えては
自然環境を人工環境に変えてゆく


こうした環境変化に伴い
人間が持つ自由は
自然なものではなくなり
人工的なものになってきた


規則で許された自由に
人々は群がりそれを愉しむ


大草原を自由に走り回るのではなく
大草原に敷設された遊歩道を愉しむのだ


自由に伴う危険を
予め取り去った人工環境の中で
自由を謳歌する


危険を回避できる領域が広いことが
自由であるということになっているのかもしれない


そんな
人工的自由が自然な自由を凌駕している


争いは
人工的自由をめぐる戦いだ


「どちらでもよい」問う自然に戻れれば
争いもなくなるだろうに
「どちらでもよくない」から
争いが収まらず
そのたびに正義が叫ばれる


正義もそんな人工物だ


人心を統治するリバイアサンは
そんな正義を統合しながら作り出された怪物だ

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